「札幌で不動産投資をはじめようか悩んでいる」
北海道にお住みの方で不動産投資をはじめるとなると、人口が集中している札幌での不動産投資をまず念頭に置くと思います。
ちなみに私もその一人でした。
この記事を読むことで、札幌で不動産投資を行ううえでのリスクについて東京と比較したうえで理解することができます。
『地元が北海道だから不動産投資も札幌とかで始めたほうが安心』という考え方は正解なのでしょうか?
ぜひ最後まで読み進めてみてください!
不動産投資を札幌で始める際に知るべきリスクとは
何かしらの情報から不動産投資をはじめようと思ったとき、『地元で不動産投資を始めよう』と思うのが一般的かと思います。
不動産投資は物件選び(入り口)でほぼ決まるといわれている投資です。
その大事な入り口を決める理由が『地元だから』という判断で正しいのでしょうか?
入り口でつまづいてしまっては、不動産投資が失敗に終わる可能性も高くなりますから、まず札幌のリスクを知ったうえで検討してみることをオススメします。
・地元だから安心?
不動産投資を札幌で行うリスク① 賃貸需要
札幌の人口は約195万人で、北海道人口の約37%が札幌市に住んでいます。
2番目に人口が多い旭川市でさえ約6%ですから、いかに札幌に人が集まっているかが分かります。
不動産投資を始めるうえで空室は避けたいところなので、『北海道で不動産投資を始めるとすれば札幌』という観点は一般的かと思います。
ですが、不動産投資に大きく影響する『単独世帯数』は札幌市で約37万人です。
これは全国的にみた場合はどうなのでしょうか?
・195万人に対して単独世帯は37万人
・単独世帯の割合は意外と少ない
東京23区と比較
東京での不動産投資は人気がありますが、その理由としてはまず圧倒的な賃貸需要の高さが挙がります。
東京都23区の人口は約957万人、そのうち単独世帯数は242万人です。
この数字は人口に対して、おもに賃貸住宅を利用している単独世帯の割合が多いことを物語っています。
札幌と比べて東京はマンションの数も少ない
札幌の場合、単独世帯数に対してマンションの数が充実していますが、
東京の場合、単独世帯数が多いのに対してマンションの数が少ないことも賃貸需要の高さに繋がっています。
当然ながら住まいを探してる人が多いのに提供できるマンションが少ないわけですから空室は出にくくなりますね!
単独世帯数に対してマンションの数が充実している札幌のほうが東京に比べて空室率が高くなるということです。
自分の部屋選びとなれば空室があった方が良いのですが、不動産投資は空室を極力ださない環境が大切です。
札幌の場合、人口減少こそないもののそれ以上にマンションの数がどんどん増えている傾向にあります。
これがどういうことかというと、『借りる側は助かるけど貸す側は困る』ということです。
なぜ東京はマンションが少ないのか
東京にマンションが少ない理由としては
・土地が少ない
・ワンルームマンション開発規制
この2つが挙がります。
土地が少ない
土地の仕入れ競合が多いため、都内の駅近くであればあるほど建てられる土地が少ない。
要するにライバルが多いということですね!
ワンルームマンション開発規制
土地が少ないことに加え、ワンルームマンションの開発規制があることもマンションが少ない理由として挙がります。
ワンルームマンションに規制が掛かった背景としては、
・単身者のマナー問題(ファミリー層と比較して単身者のマナー違反が多い)
・住民税の収入に繋がらない(ファミリー層の方が財源を確保できる)
といった理由からです。
具体的な規制内容としては、『最低専有面積を大きくしましょう』といった内容や『1戸建てるごとに課税がかかりますよ』といった内容です。
この2つの理由から東京はマンションが増えにくいのです。
・札幌の賃貸需要は東京に大きく劣る
不動産投資を札幌で行うリスク② 寒さと積雪
札幌で不動産投資をする場合に忘れてはならないのが雪国だということです。
東京では掛からないような費用も、札幌は凍てつくような寒さが故に掛かってくる費用があるということです。
具体的な修繕費リスクとしては3つ
①水道管の凍結リスク
②暖房設備の故障リスク
③積雪によるリスク
が挙げられます。
①水道管の凍結リスク
札幌に限らず北海道に住んでいれば、「水道管が凍った」、「水道管が破裂した」という話は誰もが耳にしたことがありますよね。
札幌ではよくある話でも東京では起き得ないリスクです。
自分が住んでいるぶんには一時的に水が出ないだけかもしれませんが、大家さんの立場だとそうはいきません。
当然生活に支障が出ますからクレームにも繋がるでしょうし、破裂などになれば修復費用は諸に自分の身に降りかかってきます。
②暖房設備の故障リスク
雪国での生命線でもある暖房設備(ヒーター・エアコンなど)の故障は、入居者にとっては非常にシビアになる部分です。
暖房設備が壊れたときの焦りようといったらないですよね•••
暖房設備の故障は修繕に高額なお金が掛かりますし、入居者のストレスにも繋がりますので早急に対応する必要があります!
このようなリスクも札幌で不動産投資をする場合は念頭に置く必要があります。
③積雪に伴うリスク
札幌に住んでいれば雪が降る環境は当たり前のことですよね。
ですが不動産投資の場合は積雪がマイナスに働きます。
管理会社に賃貸管理業務(雪かき)を委託することが一般的かと思いますが、除雪をしてもらうための費用は当然掛かります。
費用は払っていても市内全域で大雪が降ってしまえば、場所によっては除雪が遅れるでしょう。
『あさ通勤時間に間に合わなかった』、『家賃にプラスして除雪費払ってるのに』なんて不満もでてくることは予想できますね!
1年のうちの3分の1は雪が関係しますから、除雪状況が悪ければ引越しする人もいるでしょう。
・雪国は単純にリスクが増える
不動産投資を札幌で行うリスク③ 利回りの低下
札幌で不動産投資をするうえで最大の魅力といえば『利回りの高さ』でした。
利回り10%を超える物件も数年前は沢山ありましたが、物件価格の上昇もあり現在では平均8%くらいまで下がってきています。
安定した賃貸需要があれば『利回りが低い=リスクも低い』とも捉えることができますが、上述したことを踏まえるとリスクが低いとも言い切れないのが札幌の現状です。
投資家たちの間でも、『札幌は買い時ではない』という意見も良く聞きます。
【東京】 利回り低 リスク低 →堅実な投資
【札幌】 利回り低 リスク中 →堅実な投資?
不動産投資を札幌で始めたら安心?
『地元だから』、『馴染みがあるから』という理由で不動産投資を始めるのはリスクが大きいといえます。
考えてもみてください、投資した物件が近くにあるからといって何ができるでしょうか?
賃貸需要が変わるわけでもなく、暖かくなったり雪が降らなくなるわけでもなく、利回りが高くなるわけでもないのです。
地元で不動産投資を始めるメリットを強いて挙げるとすれば、たしかに不動産会社や管理会社との連携がとりやすくなることもあります。
ですがその会社があなたを優先してすぐ動いてくれる会社とも限りません。
信頼できる不動産会社であれば遠方の物件でも安心して任せることができるのです。
『地元だから何となく安心』という空想ではなく、実績やデータなどから現実的に考えることが不動産投資の成功率を上げるために重要だといえます。
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