不動産投資を始める際には、不動産購入費用のほかにも支払うべきお金が存在します。
購入時に掛かる手数料や税金を知らないと、「こんなにお金が掛かるの?」という状況に陥ってしまいます。
この記事を読むことで、不動産購入時に不動産価格以外で掛かる費用を理解することができます。
少額ならば特に意識する必要はないのですが、実際に不動産投資をしている経験から、おそらく皆さんが想像している以上の金額かと思いこの記事を書きました。
最初から必要になる費用を理解していると、物件の選択肢も変わってくると思いますので、ぜひ最後まで読み進めてみてください!
不動産購入時に掛かる費用とは
不動産購入時に掛かる費用は以下の7つに分けられます。
①仲介手数料
②印紙代
③不動産登録免許税
④不動産登記手数料
⑤固定資産税、都市計画税
⑥不動産取得税
⑦保険料
これらの費用の総額は、大まかに物件購入価格の7〜10%です。
ですから『物件購入価格の約1割がプラスされる』と考えましょう。
ですから消費税分くらいが上乗せされるのです。1000万円の物件であれば、諸費用込みで1100万円くらいは掛かるということです。
100万は大金ですよね。そして物件価格が上がればさらに大きくなります。不動産投資において諸費用は決してバカにならないのです。
では、7つの費用がどんなお金なのかを詳しくみていきましょう。
不動産購入時に掛かる費用① 仲介手数料
仲介手数料とは、「不動産会社を介して不動産を購入した場合、不動産会社に支払う金額のこと」です。
実際にどのくらい仲介手数料が掛かるかは公式で求めることができます。物件価格が400万円を越えている場合の仲介手数料の公式は、
<売買代金の3%+6万円(消費税別)>です。
1000万円の物件であれば36万円、2000万円の物件であれば66万円の仲介手数料が最大で掛かってきます。
ですが、この金額が上限なので交渉次第では引き下げることも可能です。
「いや高すぎるだろ」と思う方も多いのではないでしょうか?
ただこの費用を支払うことによって<物件紹介、物件案内、物件調査、引渡しまでの段取り、ローンの申込み>など、不動産会社が全てやってくれます。
あまりオススメはしませんが、仲介手数料をどうしても削りたいという人向けの方法もあります。
仲介手数料が掛からないケースとは
売主の物件を不動産会社が仲介するために掛かってくるのが仲介手数料ですから、売主から直接物件を購入すれば、仲介はいないので仲介手数料は掛かりません。
ですが、売主といっても「売主が個人の場合」と「売主が不動産業者の場合」があります。
売主が個人の場合
個人間の取引になりますので、不動産会社が仲介手数料を貰って行う業務の全てを自分で行わなければなりません。
これはかなりハードルが高いですし、変な物件に手を出してしまう可能性も十分に考えられるため、初心者にはオススメできません。
「仲介手数料がもったいない」と思ったばっかりに、不動産投資自体がうまくいかなくなってしまっては本末転倒です。
個人間の取引を行う場合は特に注意が必要だといえます。
売主が不動産業者の場合
この場合も仲介するひとがいないので、仲介手数料は掛かりません。
ですがこの場合は、物件価格に仲介手数料が含まれている場合があり、割高な物件に手を出してしまう可能性がありますので注意が必要です。
しかし反対に売主が不動産業者の場合はお得なケースもあります。
不動産業者は決算時期になると「売れ残り物件を減らして回転率を高めたい」、「お金を借りている金融機関に売れている印象を与えたい」ということもあり、割安物件が出てくることもあります。
ただ初心者にとって「どんな物件が割高で、どんな物件が割安か」を判断するのは難しいともいえます。
不動産購入時に掛かる費用② 印紙代
契約時には、売買契約書や領収書など印紙を貼る書類が多いです。
売買契約書に貼る印紙代は物件価格によって異なり、同じ契約書を複数作るときは1通ごとに印紙を貼らなければなりません。
印紙代は以下のとおりです。
・100万円を越え500万円以下のもの → 1000円
・500万円を越え1000万円以下のもの → 5000円
・1000万円を越え5000万円以下のもの → 1万円
・5000万円を越え1億円以下のもの → 3万円
例えば1000万円の物件を購入すれば、契約書1部につき1万円掛かります。
不動産購入時に掛かる費用③ 不動産登録免許税
不動産購入時には登記が必要になります。
この登記を行う時に掛かる税金のことを「不動産登録免許税」といいます。
登記をしていないと、たとえ固定資産税を負担していたとしても第三者に「ここは自分の土地です」と主張することができません。
登記をしないことでどんな障害が出てくるかというと、例えば売主が「二重譲渡」を行い、自分以外の第三者に譲渡してしまい、その第三者が先に登記をすると権利を失ってしまいます。
登記をしていれば第三者に所有権を対抗でき、権利を失うことがありません。
登記をすることで「第三者対抗要件」となります。不動産登録免許税の支払いをケチって登記をしないと大変なことになってしまう可能性があります。
税額の算出方法
税額は、「土地、建物ともに課税標準額の2%が原則」ですが、租税特別措置法により土地は令和3年3月31日までは1.5%となっています。
たとえば、課税標準額に基づき計算した価格が1000万円(土地が600万円、建物が400万円)の物件を購入した場合、
土地 〜 600万円×1.5%=9万円
建物 〜 400万円×2% =8万円 計17万円
となります。物件価格によって、また土地と建物の割合によっても税額が変わってきますが、いずれにしてもそれなりの額になります。
不動産購入時に掛かる費用④ 不動産登記手数料
不動産登記手数料とは、「不動産の登記をしてもらうのに司法書士に支払う手数料」のことです。
司法書士によって報酬に開きがありますので、自分で探してみるのも良い選択です。
不動産購入時に掛かる費用⑤ 固定資産税、都市計画税
不動産には、固定資産税と都市計画税という税金が掛かります。
これは毎年1月1日に土地や家屋の固定資産を所有している人に市町村が課す税金のことです。
これらの税金は1月1日時点での所有者が1年分の納税義務者となり、支払う必要があるお金です。
本来的には不動産を購入した人が、購入日から12月31日までの固定資産税などの税金を負担すべきなので、契約時に日割り計算で清算するのが一般的です。
もっと簡単に言うと、日割り計算で買主の負担分を売主に支払って、売主が納税するということです。(1月1日の時点では売主が所有者であったため)
不動産購入時に掛かる費用⑥ 不動産取得税
不動産を取得すると、原則として60日以内に土地、家屋の所在地の都道府県税事務所に申告することになります。
不動産を取得してから6ヶ月〜1年後に納税通知書が届きます。
税額は固定資産税評価額(課税標準額)に3%の税率を掛けます。
令和3年3月31日までに宅地等(宅地および宅地評価された土地)を取得した場合は、取得した不動産の固定資産税評価額の半額を課税標準額とします。
課税標準額に基づき計算した価格が1000万円(土地が600万円、建物が400万円)の物件を購入した場合、
土地 〜 600万円×2分の1×3%=9万円
建物 〜 400万円×3% =12万円 計21万円
不動産購入時に掛かる費用⑦ 保険料
せっかく購入した物件で火災が起きてしまったり、地震が起きて建物が損壊する可能性があるため、火災保険や地震保険に加入してカバーする方がほとんどです。
もしものことが起きてしまうのが人生ですから、火災保険はお金が掛かっても必ず加入するようにしましょう。
不動産投資の物件は費用も検討して
7つの費用について解説してきましたが、やはり物件価格の1割くらいは費用が掛かる計算になりました。
物件にプラスされる費用を意識して検討することが重要ですが、中には削減できる費用もあるので削減できるところを意識することが必要といえます。