不動産投資は、「インフレに強い、インフレ対策になる」と言われています。
よく不動産投資のメリットとして挙げられやすい項目の1つなのですが、本当に不動産投資はインフレ対策になるのでしょうか?
この記事を読むことで、不動産投資がインフレ対策になるのか否かを理解することができます。
「そもそもインフレ自体をそんなに知らない」という方にも分かりやすく解説していきますので、ぜひ最後まで読み進めてみてください。
インフレとはなにか
インフレとはインフレーションの略で、「モノの値段が全体的に上がりお金の価値が下がること」です。具体的にどういうことかというと、
例えば、みかん10個を500円で売っていたとします。1個あたりで考えると50円です。
これがインフレになると、みかん8個で500円になるのです。以前は500円で10個買えていたのに、インフレになると500円で8個しか買えない。
これはインフレによって、モノ(みかん)の値段が上がり、お金(500円)の価値が下がる、これがインフレの実態です。
その分、収入も上がれば何ら問題はないのですが、なかなかそうはいきません。
日本はインフレ傾向
アベノミクスの金融政策で、日銀の黒田総裁が「2%の物価上昇を目指す」と宣言しました。
これは今後世の中に出回るお金が増えるということです。
出回るお金が増えると「モノの値段が全体的に上がりお金の価値が下がること」、インフレになっていくことは防げないでしょう。
コロナの影響でどうなる?
現在のところ、新型コロナウイルスによって外出制限などの影響もあるため、
需要減退が起き、物価は下がる(デフレ)になるという予想が多いですが、今回の場合はインフレになる可能性も秘めています。
その理由は、買いたいのに買えない(需要減退)に対し、素直に物価(モノの価値)が下がれば今後デフレになっていく可能性が高いですが、
今回の新型コロナウイルスの場合は、売れるのに売りに行けない(供給停滞)という事態も起きています。
新型コロナウイルス収束後に需要減退が強く働くのか、供給停滞が強く働くかによって、今後インフレになるのかデフレになるのか変わってきます。
不動産投資がインフレ対策になる?
ここまでインフレとは何かについて触れてきましたが、本題である「不動産投資がインフレ対策になるのか」について解説します。
キャピタルゲインに影響する
不動産投資の利益は、インカムゲイン(家賃収入)とキャピタルゲイン(売却益)に分かれます。
不動産投資がインフレ対策になるといわれている理由としては、インフレになるとキャピタルゲインに影響してくるためです。
一般的にインフレになるとモノの価値が上がるため、モノである不動産の価値も上がります。
売却時に物件購入時の金額よりも高く売れればキャピタルゲインが得られるということです。
「1000万円で購入した物件が、数年後にインフレの影響で1200万円で売れた」場合は200万円のキャピタルゲインが得られたことになります。
インフレによって地価が上がるか否かはその地域によって変わりますが、この仕組みこそが、「不動産投資はインフレ対策になる」といわれる理由です。
不動産投資がインフレ対策にならない物件も?
インフレによって、全ての物件に良い影響があるわけではありません。地域によっては地価が変わらない物件も当然あります。
地域で変わる
インフレの影響を諸に受けて、物価が上がり経済状況が良くなった地域ではマンションやアパート価格が上がる可能性は十分考えられますが、
経済状況にさほど変化がない地域で不動産投資をおこなっていた場合は、地価が下がることはないにしても上がることもないでしょう。
さほど変化がない地域の場合はメリットこそないにしても、インフレは「モノの価値があがりお金の価値が下がる」ことですから、変化がないということはお金の価値自体は下がってはいません。
売却せずに持ち続けて良いタイミングで売却すれば良いのです。
このように、価値が下がることはないけど上がることもない物件もあるということです。
「それじゃ増えないんだからメリットとはいえないじゃん」と思う人もいれば、「下がらないだけメリットか」と考える人もいるので、個人の捉え方次第といえます。
不動産投資はデフレになったらどうなる?
これまでの解説を見て「でもデフレになればが逆のことがいえるんじゃ?」と思うでしょう。
そのとおりデフレになれば逆のことがいえます。タイムリーに新型コロナウイルスの影響でデフレに転じる可能性も十分あるでしょう。
影響のない場所で
インフレの解説の際、あまりメリットがない地域の話をしましたが、デフレにおいてもあまり影響がない地域が存在します。
デフレにより大きく値が下がってしまう地域で不動産投資をおこなっていた場合、キャピタルゲインが得られる可能性はデフレが改善しない限りほぼ無いでしょう。
ですが、インフレ時は地価が上がって、デフレ時には地価が下がりにくい地域ならどうでしょう?そんないいとこ取りのような地域もあるのです。
例えば、東京都内の賃貸需要が高い人気エリアなどが良い例です。
デフレのような事態にもブレない地域で不動産投資をおこなうことが重要です。
不動産投資はインカムゲインが基本
最初からキャピタルゲインを狙うのは難しいため、あくまで不動産投資での利益はインカムゲイン(家賃収入)で考えましょう。
安定した家賃収入が確保できていれば、インフレ時にもデフレ時にも動じることはありません。タイミングをみて売りたい時に売ればいいのです。
この基本さえ忘れなければ賃貸需要のある良い物件を選ぶことにつながり、
おのずとインフレ時にはキャピタルゲインが得られ、デフレ時には価値が下がることもないような素敵な物件選びへと繋がっていくでしょう。